子実コーンについて

令和2年度の子実用トウモロコシ生産について

  • 平成25年から、秋田県大潟村の大区画ほ場を利用して試験的に子実用とうもろこしの栽培を実施。

  • 令和元年度には、平成30年に導入したGPS搭載の播種機による作業の高速化を図り、全耕作面積80haのうち22haのほ場で子実用とうもろこしを栽培し、680kg/10aの収量を達成。

  • 今後、子実用とうもろこしの販売先の確保や機械装備等による作業の高度化・高速化を進め、更なる子実用とうもろこしの作付面積・収量を拡大することを検討。

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    【令和2年度の栽培概況】

    ◆子実用トウモロコシ栽培面積:29ha
    ◆収  量: 500kg/10a
    ◆収穫時期:10月上旬~11月中旬
    (普通コンバイン)

    • 平成30年からGPS搭載の播種機を導入し、日没後の作業が可能となり、時間に縛られない作業を実現。

    • 収穫時の水分の目標値は、カビの発生を防止するためほ場で22%以下。

    • 収穫した子実用とうもろこしは「水稲の乾燥機」で乾燥、コンバインを改良した選別機を通してフレコンバッグで保管。

    • 令和2年は、追肥が出来なかったほ場が有ったことと収穫ロスが要因と考えられるが、反収が低下した。

    • 乾燥を効率化するため「モバイル乾燥機」を試験的に利用した。

  • 水稲の乾燥機は、固定式で倉庫に設置。
    試験的に利用したモバイル乾燥機は、ほ場を移動させて利用出来る。
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  • 【生産物の流通】

    ◆利用している畜産農家が、子実用とうもろこしの破砕方法や給与方法等を試行錯誤しながら家畜に給与している状況。

    →安定的な出荷と保管方法の確立が課題。
    保管方法については、フレコンバッグをラップで梱包した「フレコンラップ法」を試験的に実施中。

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    試験的に実施している「フレコンラップ法」

  • 【雇用の確保と規模拡大】

    • 面積当たりの投入労働時間を下げつつも、規模拡大を図るための手段を検討中。
      →経営内における作目の構成や機械装備等による作業の効率アップ
      (目標 令和3年度 作付面積 35ha、単収 0.9トン)

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令和2年度子実コーン栽培概要


場  所秋田県南秋田郡大潟村内
面  積29ha
品  種パイオニアエコサイエンス 36B08(106日)
播  種2021年5月30日〜
収  穫2021年10月8日〜
収  量500㎏/反
出荷形態1tフレコンバック
出 荷 先J北海道子実コーン組合/県内肥育牛農家

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栽培報告


 2021年で子実コーンの栽培も8年となりました。
栽培の体系は出来てきましたが、生産量が増えてくると乾燥、保管、出荷の最後の部分が課題となってきました。
 今回は、モバイル乾燥機の試験を行い、従来よりも乾燥時間を大幅に短縮できるという実証を得ました。
これにより、1台の乾燥機を1日、2回転の運転も可能と考えます。
 もう一つの課題は収量の安定です。
今年は見た目の出来と、実際の終了とに大きな差があり、500㎏の反収でしたが、圃場では700㎏~はいっていたのではと推測します。その要因としては、コンバインのヘッダ―がリールのため、ロスが多く出てしまいました。
コーンヘッダーの装着が解決策ですが、コストの問題があります。
 栽培としては、新規圃場で牧草の後にプラウをかけ畑にしましたが、地力が足りずに肥料不足の所がありました。
また、追肥、中耕時期に畑が乾かず、無理に作業をした所ではその後の排水不良を招きました。
 これまでは畑での栽培でしたが、今回初めて大豆後の水田転作での作付けを5ha行いました。
これまで、転作大豆を作付けしていた畑なので、排水等の問題はなく、良い出来でありました。
 ツマジロクサヨトウの発生が注意喚起されていましたが、当地でも圃場の外周で発生が見られました。影響を受けるほどの状況ではなかったものの、今後も注意していかなければと思います。  栽培の各作業の所要時間は、基本作業の合計で反当り1時間強位で安定しています。

今後は、連作による地力低下がみられるので堆肥の施用などの対応が必要と思われます。
 地域での栽培者が増え、安定供給の体制を作る事が子実コーンの普及、定着には欠かせない事です。
新たな転作作物が求められ、国際的な穀物価格の上昇が今後も見込まれる環境下にあります。
子実コーンの位置づけ、役割、期待は、これまでにないものがあります。
 一日も早く、国産子実コーンの生産が定着できる様に励んでいきたいと思います。


栽培体系


耕起 [4/16~19]

パワーハロー

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プラウ耕 [4/30~5/3]

プラウ

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整地 [5/8~18]

マスキオロータリー

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整地 [5/26~31]

パワーハロー

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播種・元肥 [5/30~6/6]

真空播種機/種子2㎏/反36B09(106日タイプ)
化成肥料N-10㎏/反(同時施肥)

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鎮圧 [5/31~6/6]

ケンブリッジローラー

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除草剤土壌処理 [5/31~6/6]

ブームスプレヤー/ラクサー乳剤

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中耕 [5/17・18]

カルチベータ

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追肥 [5/24・25]

ステファライザー/尿素10㎏/反

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除草剤散布 [5/24~6/3]

ブームスプレヤー/アルファード液剤

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収穫 [10/8~11/16]

スレッシャー

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乾燥・調整 [10/9~]

乾燥機、選別機